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12代目に惹きつけられる理由の巻 [12th Doctor]

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現在AXNミステリーで放映中の11代目ドクター=マット・スミスによるシリーズ5、文句なしにおもしろく多くの人にウケるであろうことは間違いないので心配はしてません。NHKでドクターにはまった人でも「おお!ドクターやっぱりおもしろいな」と納得なさるでしょう。

おそらくいまだに人気ナンバーワンのドクターはNHKでも放映があった10代目のデビッド・テナントということに疑いはありません。なんせ彼が降板したときはドクター・フー終了の話まであったそうです。しかし制作陣が一新され新ドクター・フーとしても再スタートを切った11代目はのシリーズは、アメリカ市場にまで広がり一層人気に拍車がかかりました。2005年にリスタートを切った時の9代目そして人気大爆発となった10代目と11代目そしてその3人の後を引き継いだのはドクター・フー史上初代のドクターに次ぐ高齢でのドクター就任(?)となった、スコットランド出身の俳優ピーター・カパルディでした。

日本でもかつて彼主演の人気英国ドラマ”The Thick of It””(『官僚天国!~今日もツジツマ合わせマス~』)がWOWOWで放映されていたものの、英国本国のような知名度はありません。『官僚天国!~今日もツジツマ合わせマス~』ではSwear Words とかCurse Wordsと言われる罵詈雑言の乱射で人気だったというピーター・カパルディという役者が本来子供向け(現在は家族向けとされる)の番組ドクター・フーでドクターを演じる、一体どうなるんだろうという興味と期待から2014年秋放映がスタートしたシリーズ8には期待が集まっていました。

結果を言えばやはり大成功だったと思います。開始当初はうるさがたがやれ「テーマ曲のアレンジが悪い」「前のシリーズの人気キャラに頼りすぎ」「謎の女性を登場させるというのはスティーヴン・モファットのワン・パターン」という批判が多かったのですが、本編12話+クリスマス特別エピソード通してみれば安定の「ドクター・フー」。毎週視聴者の予想を裏切りつづけるようなシナリオやシリーズ構成もまさにドクター・フー。

そしてなんといってもこれまで誰にも好かれるようなキャラだった新シリーズのドクターからうってかわって、12代目の文字通りの「青い箱に住んでる変人」ぶりです。なにしろめったに笑いません。かつて「何か人に好かれるような特殊な光線でも出してるんじゃないの?」とまで言われた人懐こいドクター像から一転、まさに人でなし(なんせ地球人じゃないし w)な我儘さで、周囲を振り回しまくります。

ハグが苦手で人から感謝されるのはもっと苦手で、そんな目にあうと不思議な姿勢と複雑な表情ですぐ固まってしまいます。自分から本音を言うのも超苦手で、その心の中に秘めた昔から変わらぬ善良さがつい口から出たり行動に現れたりすると、照れ隠しなのかさらに複雑な表情になったり話を必死にそらそうとしたりするのです。

おそらくこういったキャラクターは本国英国人以上に、日本人とか儒教・仏教文化圏という非西欧非キリスト教文化圏の人間のほうが身近に感じるのではないでしょうか。

ドクター・フーの旧シリーズを見て育った現在の英国の大人たちにも好評なようです。子供向けSF+ホラー+歴史ものとして人気のあったドクターは、新シリーズの万人受けしやすい明るいキャラクターだけでなく初代の不気味な謎の老人像に代表されるような影の部分も持っていたからでしょう。シリーズ8開始前に制作陣やピーター・カパルディが「今回のドクターはダークになる」と発言したために、『ダーク』という言葉が独り歩きして一時キー・フレーズのようになりましたが、結局一面的なダークさではありませんでした。時に非人道的(に思える)決断を下したり、今まで以上に内省的であったり、皮肉屋であったりといった影の部分を強調することでドクターの根本的な善良さを改めて浮き彫りにすることになったのです。

動画サイトに公式・非公式にアップロードされたシリーズ8が始まる以前の特集番組などで、「新シリーズのドクターは魅力的なんだけどみんな若いことにちょっと違和感があった。自分たちが親しんでいたドクターはいつも年上だったし。。。」という発言がありました。これまでの新シリーズを通しての友達になりたいドクター像から、ちょっと近寄りがたいけど尊敬できるドクターへの再生。これが12代目・シリーズ8からの最大の方向転換ではなかったでしょうか。でも尊敬されるとチョー嫌がるのも12代目(爆)。そのくせ「自分は天才で万能だ」と言い張ります。で、その能力を披露したあと「これでよかったんだろうか・・・」と複雑な表情で一人悩みだす変な人。

「尊敬されるドクター像」の演出の小道具にTARDISの中に置かれた本棚とチョークと黒板があります。一体何を計算しているのか黒板には謎の数式がいっぱい。12代目はしょっちゅう何か板書しています。これがなんだかとっつきにくい大学の教授みたいな雰囲気をかもしだしています。あの黒板と板書された数式も今後のなにかの伏線じゃないかという説もありますが、今はあんまり気にせずすーっと流しておいていいようです。

既に日本でも大人気のドラマ「シャーロック」の製作中心人物のスティーヴン・モファットの物語のひねくり方に加え、12代目役にはモファットや他のシナリオ・ライター陣と同じドクター・フーそのものの大ファン、それこそ旧シリーズを見て育った世代として知られた役者さんが主役になったのです。おもしろくならないわけがありません。ドクター・フーの歴史について書かれた本などを読むと、ドクター・フーという番組はドクター役の役者さん自身のキャラや意見が反映されるという伝統があるようです。これはそもそも初代のドクター役の俳優さんの時代からのもののようで、こういったことも50年以上も続く長寿シリーズになりえた理由なのでしょう。

さて、日本国内で12代目が正式にお目見えするときが来るとすると・・・気になるのはDVDやテレビで日本語吹き替えが誰になるかということなんですが・・・年配で威厳があってとパッと思いつく方というと新スター・トレックのピカード艦長役で有名な麦人さんあたりでしょうか。個人的には白戸家のお父さんの北大路欣也さんだと12代目のおかしさが際立つような気もしますが・・・ギャラ高いだろうしなあ(w。
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